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藤沢周平の『一茶』

一茶 (文春文庫 ふ 1-2) Book 一茶 (文春文庫 ふ 1-2)

著者:藤沢 周平
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フィリップ・フォレストの『さりながら』における一茶、幼くして生母

(生家は庄屋)をなくし15歳で江戸に奉公に出されるまでの一茶

の、継母に苛めぬかれた孤立感や寂しさが「我ときて 遊べや

 親のない雀」の句を詠ませた、としている。

藤沢周平は『一茶』で、継母を村の衆がしっかり者の嫁と褒め、

継母の働きが一家の資産を安定させたと書き、生母が庄屋の

生まれで、その子の弥太郎(一茶)は幼児期からおっとりとした、

目端の利く勤勉さとは縁のない感性を持った子供で、弥太郎と

継母の気質の差が、継母のげんこつになって弥太郎を追い回

したのだと書いている。

松岡正剛も千夜千冊767「小林一茶」の中で、不耕の遊民とし

ての自虐があって、それが感覚の律動に転移して、独自のリ

ズムとなったのだ、と言っている。

それにしても江戸の高等遊民も、食べてゆくのに何ともたいへ

んであったことか。また貨幣経済の発達にともない、文化の担

い手が町や村の良質な資産家たちの手になり、そのネットワー

クによって一茶などを育んだといえる。 (つづく) 

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