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『グローバリズムという妄想』その2

ジョン・グレイ

『グローバリズムという妄想』その2

グローバリズムという妄想 Book グローバリズムという妄想

著者:ジョン グレイ
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訳者(石塚雅彦)後書きより・・・グレイもグローバリゼー

ションのそのような技術進歩の要因を認めている。しか

し、彼はグローバル自由市場をあくまでも、ある思想の

表れと見る。その背後には啓蒙思想的価値認識があり、

それが危ういと断じているのである。

 本書の中で繰り返し述べているように、啓蒙思想とは

世界が最終的に普遍的文明に統合されるという信念で

ある。この普遍的文明とは西洋文明を前提にしたもので、

結局西洋による世界の支配を想定している。このような

啓蒙思想は第2次世界大戦において連合国が枢軸国を

破ることにより生き残り、冷戦時代を経て共産主義に対

しても勝利を収めた。しかしグレイの見るところ、共産主

義とリベラリズムの戦いは同じ西洋啓蒙思想同士の身

内の戦いだった。・・・・

 そして冷戦後は、普遍的自由市場の形成が啓蒙思想

のゴールとなった、とグレイはいう。グローバル自由市場

という概念は啓蒙思想の最終の形態なのである。しかし

それは同じ啓蒙思想だった共産主義に匹敵するほどの

苦しみを人類にもたらすユートピア的試みである言う。

グレイによれば、自由市場は民主主義とは相容れないの

であり、「民主的資本主義」とは人を惑わす言葉でもある。

 ・・・啓蒙思想は合理的、科学的認識によって理性を

啓発すれば、人類は普遍的な進歩を達成できると信じ

る。しかし「理性」を進行するあまり、物事を正しく見る

目をってしまう。人類は進歩し、普遍的世界文明に

至るもであり、現在はその一過程にあるという見方

は必ずしも肯定できない。これまでの歴史がそれを

証明しているではないか。人間の争いの根源的原因

は克服できるというネオ保守主義の見方は幻想である

、ともグレイは論じる。

 このような見方の背景には、価値の多元性と文化的

多様性こそが世界のあるべき本来の姿である言う考え

がある。

自由主義の二つの顔―価値多元主義と共生の政治哲学 (シリーズ・現代思想と自由主義論) Book 自由主義の二つの顔―価値多元主義と共生の政治哲学 (シリーズ・現代思想と自由主義論)

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