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atプラス05 特集「コミュニティへの構想力」などから

きみはひとりでどこかにいく Book きみはひとりでどこかにいく

著者:大塚英志,七字由布
販売元:太田出版
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浜田小のコミュニティ・ルームで子どもたちにやってもらって

もと思いながら、著者の大塚英志が宮台真司とこの絵本つ

いて対談しているのでatプラス05特集「コミュニティへの構

想力」を初めて読んでみて、とても読み応えがあった。

 

まず巻頭特別インタビューが、水野和夫・ポスト近代の

『リヴァイアサン』のために「長い21世紀」に進行する

4つの革命と脱近代の条件

8月11日の『資本主義2.0』で島田裕巳との対談で言って

いることがさらに解りやすく述べられている。小見出しの

「民主主義を時代遅れにしたグローバリゼーション」「近代

の終焉とデフレ」「インフレ社会からデフレ社会へ」「ポスト

近代の条件は脱化石燃料社会」「長い21世紀に進行する

四つの革命」・・・長い16世紀(1450年~1650年)には、(1)

利子革命→中世社会の先進国であったイタリアのジェノ

バで2%を下回る超低金利が1611年から21年まで11年間

続いた。日本では、10年国債の利回りが下がり下がって

2%を97年9月に割って依頼13年目に入ろうとしている現在

1%をも割ってしまった。(2)貨幣革命→16世紀には、国内

の経済で思うように利潤の得られなくなったスペインは、

南米のボリビアの銀山から銀を略奪し、その貨幣で雇った

兵力でポルトガルやオランダを侵略しようとした。現代になる

と、日本では道路を作り、飛行場をつくるなど実物投資で利

潤が上がらなくなった資本の現状打開のために、1995年に

アメリカでクリントン政権の財務長官になった、ゴールドマン

サックスでサヤ取りの名人として鳴らしたルービンが、「強い

ドルはアメリカの国益」と宣言し、編み出されたのが金融の

レバレッジ空間であり、2008年のリーマン・ショックまでの間

に100兆ドルもの巨大な金融資産を生み出した。紙幣にプラ

スして株券・債権といった信用だけの21世紀の貨幣革命。

(3)価格革命→13世紀末~15世紀にかけて地中海世界から

小麦が北進し、イギリスでは食料品が150年の間に10倍にも

なった。現代では原油はもとより、あらゆる鉱物資源、食料資

源が高騰しはじめてている。(4)賃金革命→企業は生産品の

材料が高騰すれば、賃金を下げて利潤を生み出すしかない。

日本の1人当りの名目賃金は、97年1月から3月期にピークを

付けて以降、下降局面に入り、2010年1月から3月期時点で、

10.9%も減少。(実質賃金では10.7%の減少)一方企業の

営業利益は、97年年度の32兆円から07年度には49.5兆円へ

と、1.5倍以上に増加。資本と労働の成果として生み出される

付加価値は、現在全て資本の側へ回されていることがわかる。

16世紀にもイタリアの実質賃金は50%低下し、イギリスでは

1477年をピークに1597年には、ピークの24%まで低下した。

・・・・16世紀の不当利得者はブルジョアジーになって資本主

義を誕生させましたが、21世紀の不当利得者たちが貯め込

んだお金は何を生み出すのでしょうか・・・という編集部の問い

に、95年以降創出した世界の余剰マネーは100兆ドル(現在

のレートで約8500兆円)にも達し、新興国経済は20兆ドルで

そのうち総固定資本形成に必要なお金は、そのうち最大で3割

なので6兆ドルあれば十分、残りの巨大な余剰資金が利潤を

求めて世界中を動き回らざるをえない現状、との答え。

★現政府のチーフエコノミスト水野氏の結論は、利子率革命し

かり、1970年代以降,日本は欧米より10~20年先行してい

る。日本のバブル崩壊以降のことが、現在欧米で後付けされ

ているし、世界に先駆けてデフレ状態にも陥っている。財政再

建でも橋本政権が消費税の引き上げをして退陣となったので、

その後の政権は経済成長をあてにして再建策を考え、失敗の

連続だった。近代資本主義の成長ありきの時代は終わった、

今の菅首相の増税により強い経済をつくるのも難しそう。定常

状態の経済を前提にして、どうやってバブル崩壊後につくって

しまった860兆円もの国の借金を返済していくかを考えないと、

まだバブルの後始末は終わっていはいない。ポスト近代の肝

はエネルギー革命だと思う、高速道路無料ではなく、モノの

移動を一定の経済圏で(地産地消)、地域の再生を図りながら

情報の移動はインターネットで自由に行える社会。日本は世界

に先駆けてポストモダンに入ったのだから、21世紀の『リヴァ

イアサン』をどの政治学者が書くのか、『ドン・キホーテ』をどの

作家が書くのか・・・・

atプラス 05 Book atプラス 05

著者:上野 千鶴子,大塚 英志,濱野 智史,鈴木 一誌,山折 哲雄,岡崎 乾二郎,岩根 邦雄,岸本 幸子,宮台 真司,広井 良典,山下 範久,橋本 努,水野 和夫
販売元:太田出版
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広井良典

「創造的福祉社会」の構想 

資本主義・社会主義・エコロジーの交差とコミュニティ

〝生産性が上がりすぎた社会〟

〝社会的セーフティネットの構造と進化〟

〝「もっと上流にさかのぼった社会化」の意味(註・若年層へ

   の社会保障)〟

〝コミュニティというセーフティネット〟

〝「創造性」の再定義・・・定常型社会と創造性〟

などの中で「環境福祉税」の提案をしている。税収をドイツ・

オランダ・デンマークなどに倣い、それらの国ではまだなされ

ていない税収の使い道として、介護労働の価値を高め、労働

生産性から環境効率性へのシフトを促進する。

〝「生産性」の再定義-環境・福祉・経済の相乗効果〟フィン

ランドでは、「すべての市民に対する社会保障、無料の学校

教育等によってもたらされる市民の幸せと社会の安定は〝特

許のないイノベーション〟」であり、「あく市社会と競争力はた

がいにパートナー」という理念の下での様々な政策展開やシス

テムづくりを行っている。フィンランドの場合、大学の学費無料

はもちろん、月額最大811ユーロの『勉学手当』を支給してい

る。「創造性」と言うと経済競争力や技術革新と言ったことと連

動して考えられ、「成長・拡大」の時代には、市場化・産業化・金

融化と言った「一つの大きなベクトル」に人々が拘束され、その

枠組みの中でものを考え行動することを余儀なくされいる。

たちがこれから迎えつつある市場経済の定常化の時代とは、

そうした「一つの大きなベクトル」や(義務としての)経済成長から

人々が解放され、真の意味での各人の「創造性」が発揮され開

花していく社会・・・

〝「生産性」の再定義ー環境・福祉・経済の相乗効果〟

これまで生産性とは「労働生産性」、つまり少ない労働力で多く

の生産を上げることと考えられてきたが、現在の先進諸国では、

構造的な生産過剰と慢性的な人余り(=失業)が生じている。こう

した時代には、むしろ『人』を多く活用し、逆に自然資源を節約す

ることが重要で、生産性の概念を労働生産性から環境効率性

ないし資源生産性へ転換することで、介護・福祉・教育といった

分野でこれまでの尺度とは全く違った新しい意義と価値が生ま

れ、そうした労働集約的な分野へ資源配分をしてゆくことが経

済にプラスする、として、社会保障の充実は経済にとってマイナ

スになるものではなく、「創造的定常経済システム」「創造的福

祉社会」とよぶべきありようを構想する時期ではないかといって

いる。

★この広井の現状を打開する積極的提案に、東浩紀は朝日新

聞の論壇時評で、「経済成長による雇用確保には限界があり、

したがってセーフティネットは市場経済の外部、すなわち共同体

に求めるしかないと主張する。共同体の復活が日本再生の要だ。

説得力のある議論だが、肝心の共同体はどこにあるのか。家族

の再生、地域の再生、国家の再生を訴える論はありふれている。

・・・・ここで必要なのは発想の大胆な転換だろう。議論を「あるべ

きすがた」から始めるのではなく、「いまあるすがた」から始めたら

どうか。こま観点で興味深いのは濱野智史の「情報社会における

新たな時間制と共同性の可能性」atプラス5だ」といっている。

私たちもピョン太文庫で、かつてあったはずの共同体の幻を求め

て苦心惨憺していますが、私の知る範囲では、「水戸こどの劇場」

などで活躍しているわれわれよりも若いおかあさんたちの方が、

より現実に即した形で積極的に現状社会にコミットしていて頼もし

く、うらやましいと思っています。大きな公共事業よりも、社会に小

さな穴を開け続ける作業をしてゆくことの継続が必要ですね。彼女

たちはしっかりと情報化の武装も怠りありません。

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