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島田裕巳・水野和夫著『資本主義2.0』

資本主義2.0 宗教と経済が融合する時代 Book 資本主義2.0 宗教と経済が融合する時代

著者:水野 和夫,島田 裕巳
販売元:講談社
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1995年を境にしてそれまでの「資本主義1.0」の時代から

から「資本主義2.0」の時代へと移行した。オウム真理教問題

で著名で、『葬式はいらない』で葬儀ブームを巻き起こした宗

教学者と、このほど菅総理の市場経済指南役に任命されたエ

コノミストの「目から鱗」本、なんと2年も前に発刊されていた。

竹中・小泉の「改革なくして成長なし」はいまでも支持が多いら

しいが、本書34ページには「改革をしなくても成長する」を証明、

とある。2008年1月時点での10年物国債利回りは1.5パー

セントを割っている(2010年現在では1%をも割ってしまった)。

1995年に資本主義の断絶が起きたと考えれば、竹中・小泉の

「改革なくして成長なし」は古い資本主義に基づく発想で、グロ

ーバル時代の資本主義のもとでは、BRICsの近代化と連動して

景気が回復するので、改革なくしても成長は可能。デフレから脱

却できない日本の経済は、グローバル化により外(BRICs)のイン

フレ(成長)と連動して、景気が回復する。

103ページ・よみがえる16世紀の亡霊「価格革命」

中世の荘園制社会では、ゼロインフレが数世紀にわたって続

いていたが、16世紀になって当時の先進国である地中海世

界がオランダやイギリス、そして穀倉地帯の東欧、ロシアと一

体化した。その過程で貨幣が必要になった。当時のオランダや

イギリスは現在のBRICsで、定常状態の経済が拡大に転ずる

ときには、貨幣量の増大が不可避であった。貨幣の流通速度

を上げるのには、金融技術の高度な発達を必要とするが、そう

いった技術はまだ発達していなかったので、大航海時代に南米

(スペインのインカ帝国征服など)から銀を大量にヨーロッパへ

持ち込み、その結果経済活動が活発になり、人口増に最も必

要な小麦の価格が暴騰し、6~8倍になった。これが「16世紀

の価格革命」で、南米の在来文明が略奪の対象になった。しか

し現在ではグローバル化で国境がなくなり、資本主義の略奪の

対象は域内(国内)におよび、それは内戦とよぶにひとしいと五

木寛之も言っているとか。現在の貨幣の膨張は、株式や債券

が加わることによってさらに膨大なものになり、株式・債券の貨

幣化現象こそが、「21世紀の価格革命の」の第一幕で、「資源

・食料の価格革命」が第二幕であると。16世紀のオランダ・イ

ギリス・東欧・ロシアの人口増にあたるのが現在のBRICs(人

口28億人)である。専門的な貨幣交換方程式で説明すれば、

「M(貨幣量)V(貨幣の流通速度)=P(物価水準)Т(経済の取引

量)」となり、ここで問題となるのはM(貨幣量)で、「資本主義1.

0」でのMはマネーサプライだが、「資本主義2.0」になると、M

は株式時価総額なども含めた、金融資産残高になる。そしてこ

れまで金融資産残高が急増したのは、21世紀の資源・食料の

『価格革命』に備えてのことだった。エネルギーや食糧の価格が

上がれば、先進国の中での打撃は低所得層に大きい。「資本

主義1.0」を政治的な側面からとらえれば、主権国家建設(中

産階級の台頭)のプロセスで、「資本主義2.0」になるとこれが

解体のプロセスへ向かうと。

資源・食料がなく、低価格化する一方のハイテク製品をつくっ

ている日本の、私たち低所得層はこのままではさらなる「資本主

義2.0」の第3幕以降の打撃にボコボコにされるのだろうか・・・

内田樹流に言えば、日本のエスタブリッシュ何とかしろ、と言い

たくもなる。こうなれば、「おたがいさまの世の中」復活の夢でも

みようと昼寝でもしたいが、この暑さにクーラーもなく熱中症にな

りそうだ・・・・

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